妊娠中にDHAをとると良い理由

DHAは妊娠中に摂取することが大切と言われている栄養素です。DHAは体内で作り出すことができない成分なので、食べ物から積極的に摂ることが必要です。DHAは、サンマやアジ、イワシなどの青魚に多く含まれる脂肪酸という油の一種です。妊娠中にDHAを摂ることによって、低体重児出産や早産のリスクをおさえられます。また生まれた赤ちゃんの喘息リスクも低下すると言われています。妊娠中に摂ったDHAは、胎盤やへその緒を通してお腹の赤ちゃんに送られます。DHAは赤ちゃんの脳細胞をつくったり、脳神経の発達を活発にします。また、目の網膜などの細胞膜を構成する重要な成分なので、視機能の発達も促します。DHAは細胞や神経細胞を構成し、脳が正しく機能するために不可欠な栄養素のため、胎児の段階で届けることが必要です。妊娠に気づいた頃にはすでにお腹の中の胎児の神経細胞や臓器の発達ははじまっています。そのため、妊娠初期のDHA摂取がよいとされています。また、妊娠後期は胎児のDHA要求量が増えます。妊娠中は初期から後期までを通してDHAの必要量を継続して摂るとよい栄養素なのです。

DHAを効率よくとるためのポイント

DHAは必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸のひとつで、生活習慣病を予防することができる大切な栄養素です。DHAは、サンマ、イワシ、サバなどの青魚に多く含まれていますが、毎日必要量のDHAを摂取するのは大変です。しかし、調理方法などを工夫することで、効率よくDHAを摂取することができます。一番効率よく摂取できるのは、新鮮なお刺身で食べることです。また、一番簡単なのは、缶詰の魚を食べることです。サバの水煮や味噌煮、サンマの蒲焼など、骨まで食べられるので栄養満点ですし、缶汁の油には、DHAがたっぷりと含まれています。そして、魚を調理するときには、DHAを逃さないポイントがあります。DHAは溶けやすく加熱に弱いです。煮たり焼いたりしたときには20%、揚げ物は50%の栄養分が煮汁や揚げ油に溶け出てしまいます。ホイル焼きや蒸し焼きにすると栄養を損なわずに食べることができます。調理には、リノール酸の入ったサラダ油を使うと、DHAの働きを相殺してしまうので、オメガ9系のオリーブオイルを使うのがおすすめです。また、DHAは、魚の身だけではなく、骨や皮や内臓にも含まれているので、余すことなく食べることで効率よくDHAをとることができます。